【ラムズジム・トレーニングルーム】
練習中のクローバーと、それを見守る鹿志村社長。そこへ突然現れる、ピンク色の例のドア。
ドアを開けて現れたのは、案の定、GM・大山のぶよ。

大山「ぐふふふぅ、ぼくGM。お邪魔するよ」
鹿志「これはGM、お待ちしておりました」
大山「準備はできてるかい?」
鹿志「はい。全員集めてあります」
大山「そう。じゃあ始めようか」

鹿志村の号令でクローバーは練習を中止して鹿志村とGMの前に集まる。

鹿志「GMからお前たちにお話があるそうだ。心して聞くように」
クローバー「「「「はい!」」」」
大山「おお、元気があっていいねぇ。君たちに話というのは、まあ勘付いてはいるだろうけど、ヤング黒うさ杯のことだよ。
   現在、出場枠8名の内6名まで決定、残り2名だ。この2名の内1名を、君たちクローバーの中から出してもらう。
   決定方法は君たち4名によるトーナメント。このトーナメントの勝者がヤング黒うさ杯に出場できる。わかったかな?」
クローバー「「「「はい!」」」」
大山「よろしい。それじゃ組み合わせを決めてちょうだい」

クローバーの四人はじゃんけんで組み合わせを決める。結果、

第一試合 井ノ上奈々 vs 庄子裕衣
第二試合 宮崎羽衣 vs 斎藤桃子

に決定。井ノ上と庄子がリングに上がる。

井ノ「ゆっこ、本気で行くよ!」
庄子「当然。負けても泣くなよ?」

【L/R・ヤン黒杯代表決定トーナメント第一試合】
 井ノ上奈々 vs 庄子裕衣


ゴングと同時に両者ロックアップ。力で勝る庄子が押し込む…と思いきや、井ノ上を振り払って距離を取る。
なぜか首を傾げる庄子。井ノ上は積極的に距離を詰めて再度ロックアップ。しかし庄子は再び井ノ上を振り払い、距離を取る。
井ノ上は三度組み付きにいくが、庄子は間合いを取って組み合おうとしない。それに焦れた井ノ上が怒鳴る。

井ノ「ちょっとゆっこ!あんたやる気あんの!?」
庄子「ん〜、やる気はあるんだけど…」
井ノ「だけどなに!?」
庄子「なっさんって…絡みづらいんだよね」
井ノ「か…絡みづらいって言うなぁぁぁ!」

庄子の言葉がよほどショックだったのか、半泣きで襲い掛かる井ノ上。庄子はそれを上手くいなして自分のペースに持ち込む。

大山「鹿野優以ちゃんとのブラパン戦でも思ったんだけど、彼女はなかなかインサイドワークに長けているねぇ」
鹿志「そうですね。庄子はついつい体格に目が行きがちですが、あれでなかなか頭の回転の速い奴ですよ。
   受けも攻めも安定していますし、他の三人もあいつに頼ってる部分は大きいでしょうね。
   あいつがいなかったらクローバーは崩壊してますよ」

庄子は体格を利した攻撃で井ノ上を追い込んでいく。井ノ上は防戦一方で苦しい展開。

大山「あの子はクローバーのリーダーなんだよね?大丈夫なの、あれで?」
鹿志「井ノ上は…確かに少々頼りない部分もありますが、なにより根性があります。
   責任感も強いですし、あいつなりにクローバーを引っ張っていこうとしてます。
   それを見て他の三人も協力したくなるんでしょう。まとめ役としては適任です」

井ノ上は庄子のコーナースプラッシュをブートで迎撃、再度突っ込んでくる庄子に低空ドロップキックを決めて反撃開始。
『制裁!(ローキック)』で庄子をダウンさせて足攻めを展開、劣勢から盛り返していく。

井ノ上は、足へのダメージで動きが鈍った庄子に『ACCESS(クローズライン)』を打ち込んで倒すと、
引き起こして『WISH(ツームストンドライバー)』の体勢。しかし、これは庄子が踏ん張り、持ち上がらない。
逆に庄子が井ノ上を肩に担ぎ上げ、オクラホマスタンピードで圧殺!
ここが勝負所と見た庄子は、井ノ上を引き起こしてパワーボムの体勢。投げっぱなしの『gift(高角度パワーボム )』で
強烈にマットに叩きつけると、助走をつけて『Horison of the universe(アースクエイクドロップ)』!
しかし井ノ上は横へ転がってギリギリで回避。立ち上がってダッシュすると、マットに尻餅をついた体勢の庄子へ
低空の『地獄蝶々(稲妻レッグラリアット)』!庄子は真横から側頭部を打ち抜かれてダウン。井ノ上はすかさずカバー。
しかしカウントは2.9!井ノ上はすぐに立ち上がり、庄子の上半身を起こすと背中にサッカーボールキック!
さらにロープへ飛んでPK式の『制裁!』を胸にブチ込んで強引に押さえ込み、3カウントを奪う。

○井ノ上奈々(11分42秒 PK式制裁!→エビ固め)庄子裕衣●


井ノ「か、勝った!どーだ、ゆっこ!」
庄子「くやし〜っ!羽衣か桃ならともかく、なっさんに負けたのが悔しい〜っ!」
井ノ「ちょっと待て!どーゆう意味だそれは!」

ぎゃあぎゃあと言い争いながらリングを降りる二人。入れ替わりで宮崎と斎藤がリングに上がる。

宮崎「桃ちゃん、アレやろう!アレ!」
斎藤「へ?ああ、アレね!」
宮崎「じゃ、いくよ!…宮崎羽衣です!」
斎藤「斎藤桃子です!二人合わせて…」
宮崎・斎藤「「羽桃ふとんです!!」」
宮崎「おー、バッチリじゃん!」
斎藤「息ピッタリだね!羽衣ちゃん、握手握手!」

斎藤が差し出した右手を握る宮崎。しかしその瞬間、斎藤は宮崎にガットショット!
さらに腕を引っ張って引き寄せバックドロップ!ここでゴングが鳴る。

【L/R・ヤン黒杯代表決定トーナメント第二試合】
 宮崎羽衣 vs 斎藤桃子


斎藤は宮崎を強引に押さえ込むが、宮崎はカウント2.9でかろうじてキックアウト!
しかし斎藤が完全にペースを握り、有利に試合を進めていく。

大山「さすが浅野チルドレンだねぇ。卑怯な手はお手の物だ」
鹿志「まったく、真似しなくていいことばかり真似して困ったものです。
   斎藤はなんでもできるいいレスラーになりました。クローバーのバランスを取っているのはあいつです。
   しかし、浅野を前にすると持ち味を出し切れないのが玉にキズですね。
   せっかく獲ったハードコアのベルトもヤツに横取りされてしまいましたし…ええい、忌々しい!」

斎藤は投げっぱなしジャーマンから『SoltyRei(ダブルリストアームサルト)』と畳み掛けるがカウントは2。
すぐに宮崎を引き起こし、『CROSS OVER(ゴリースペシャルボム)』を狙ってゴリースペシャルにいくが、
宮崎は足をフックされる前に斎藤の背中の上を後転してマットに着地、ガットショットからハイジャンプフェイスバスターに繋ぐ。
さらに立ち上がろうとした斎藤の顔面に低空ドロップキック。ダウンした斎藤を仰向けに寝かせてエプロンへ。
スワンダイブからボディプレスを決めてカバー、カウントは2。

大山「あの子は華があるなぁ。あれは天性のものだね」
鹿志「ええ、宮崎はクローバーのエースです。受けに少々難がありますが、それを補って余りあるモノをもっていますよ。
   あいつが伸びていくのを見て、他の三人も大いに刺激を受けていますね。
   ただちょっとエキセントリックな部分が強いのが…。まあ、試合ではそれがトリッキーな動きに繋がっていいんですが」


宮崎は斎藤をコーナーへ振ると対角線をダッシュ、サマーソルトキックで一回転して着地。
そこからセカンド、トップとロープをステップにして斎藤に飛びつき、アストロシザーズで投げる。
斎藤は綺麗に受け身を取って立ち上がり、自分に向かってダッシュしてきた宮崎をショルダースルーで跳ね上げる。
が、宮崎は空中で体勢を整え『マジカルちょーだいっ(高速ウラカン・ラナ)』で切り返す!
ガッチリと決まるが、斎藤はカウント2.9でキックアウト!
宮崎は斎藤が立ち上がるのを見計らってロープへダッシュ、勢いをつけて飛びついてカサドーラ!
しかし斎藤は丸め込まれる前に開脚ジャンプ!フェイスバスターで切り返す!
斎藤は宮崎を引き起こして『ハッピーエンド(パンプハンドルスラム)』の体勢。一気に持ち上げて肩に担ぎ上げるが、
肩の上で宮崎が暴れ、バランスを崩す。宮崎は斎藤の首に片腕を絡めて後方に着地、スタンディングのドラゴンスリーパーから
『ココロドキドキ(ファイナルカット)』で斎藤の後頭部をマットに叩きつける!そのまま押さえ込んで3カウント。

○宮崎羽衣(12分11秒 ココロドキドキ→片エビ固め)斎藤桃子●


宮崎「ちょっと桃ちゃん!だますなんてひどいよー!」
斎藤「いいじゃん、勝ったんだから。あたしこれでも元ハードコア王者だよ?ほら、喜んで喜んで!」
宮崎「え?そう?やったー!」

無邪気に喜ぶ宮崎。少し凹んだ様子の斎藤を、庄子が慰める。井ノ上は厳しい表情で宮崎を見ている。

鹿志「よし、10分休憩だ!羽衣と奈々は身体を冷やさないように!」

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