谷山 「Welcome to Saturday Night VOW!」
矢野 「皆さんこんばんは、VOWへようこそ!実況・解説は私、“いたりやーの”こと矢野了平と」
谷山 「谷山“シューティングスター”紀章の二人でお送りするぞ!」
矢野 「・・・いよいよゆかりんの試合がやってきた!」
谷山 「待て待て!!間違っちゃいないんだがタイトル戦ってのをだな・・・」
矢野 「こないだは思わぬ奇襲からやられた王者がどうリベンジをするか。」
谷山 「・・・ゆかなも、シングル2度目の挑戦を並々ならぬ思いで迎えたはずだ。
    それは前哨戦からも見えた訳だが、その思いは成就するか!!」
矢野 「まともにできるんじゃないですか。」
谷山 「(こんにゃろ・・・)GHVヘビー・シングル王座戦、田村ゆかりvsゆかな、まもなく開始だぜ!」 



〜ゆかな側ロッカールーム〜
男固め組が勢ぞろい。準備をするゆかなとそれを手伝うメンバー

宮村 「いよいよ来たわね。」
氷上 「こっちの方がどきどきしてきたわよ。」
池澤 「私とみっちり練習積んだんだから、絶対勝ってよね!」
さくら 「絶対、大丈夫だよ!」
手塚 「みなさん、これから試合って選手にあんまりプレッシャーかけちゃダメですって。」
岩男 「そうですよ。全く賑やかなんだから。」
ゆかな 「いえいえ、構わないですよ。この方がみんならしいですし、気持ちが昂ぶっていいですよ。」
緒方 「ま、そうだな。この程度でガチガチになるようじゃしょうがないしな。」
ゆかな 「えへへ。大丈夫です。こんなんでももう臨戦態勢ですよ。」

《谷山 「GHVヘビー・シングル王座戦、田村ゆかりvsゆかな、まもなく開始だぜ!」》

ゆかな 「さ、行きましょうか。」
緒方 「ゆかな。」
ゆかな 「はい?」

緒方 「・・・お前はタッグですでにVOWの頂点に立った。
    今までシングル・タッグで王者、と呼ばれる所まで行ったのは数えるほどしかいない。
    数えられない程の選手が参戦するVOWの中で、だ。
    それは弱かったら決して出来ない事だ。
    王者田村ゆかりは強い。それでも、お前は決して負けてない。大丈夫だ。」
ゆかな 「ハイッ!」

氷上 「ゆかなちゃん、みやむー、あれやろっか。」
ゆかな 「あれって?」
宮村 「(ゴホン)デイジーは無邪気な心の象徴だ、邪悪な風なんて吹き飛ばしてやるぜ。」

ゆかな 「(!)はい。・・・清純と言われしリリィの花言葉、咲かせて愛を授けます。」
氷上 「頂点の座につく人が、ゆかなじゃないなんて許せない!
    愛天使、ウェディングピーチはとってもご機嫌ナナメだわっ!」
望月 「・・・最後氷上さんが〆ちゃいけないと思う・・・。」
氷上 「あ、そっか。」

笑うメンバー。

池澤 「行ってらっしゃい!ゆかな主任。」
ゆかな 「はい!店長!」

緒方 「気合は入ったな。精一杯やって来い。勝っても負、、、いや、そして勝って来い!
    メルティーランサー、出動だ!銀河の平和は・・・・」
全員 「我らが守るッッッッッ!!!」

〜田村ゆかり側ロッカールーム〜
拳を握ってじっと座っている田村。
少し離れた所にいるメンバー。

伊藤 「この間の試合から、黙々とトレーニングしてましたよね。」
生天目 「少し話しかけづらい感じはしてるんですけれど」
広橋 「集中、してますもんね。」
浅川 「そうだな・・・・ま、でも。    ゆかりー。」
広橋 「ちょ、悠さん」

田村のそばに寄って手を握る浅川

浅川 「ゆかりらしくないぞ。こないだの試合はこないだの試合。
    すぐこの後お返し出来る舞台が待ってる、ね?」
田村 「ん、大丈夫。この間の試合の後はちょっと動転しちゃってただけ。」
浅川 「うん。今度は一対一、タイマンの決着戦だ。みんな、期待してる。」
田村 「あのね・・・悠・・・」
浅川 「何?」

田村が耳打ちをする

浅川 「あっはっはっはっは。なに、試合の直前だってのにそんなこと気にしてたの?」
田村 「ちょっと、そんなことって!」
浅川 「仁美、静、涼、こっち来て。」

疑問符のついたまま3人がやってくる。

浅川 「こないだの試合から3人があんまり話しかけて来てくれない、
    私、嫌われたのかなぁ・・・だって。」
田村 「悠!!」

3人が目を合わせた後大笑い。

伊藤 「良かった。やっぱりゆかりさんだ。」
広橋 「試合前で集中してるんだろうな、って思って話しかけなかっただけですよ」
生天目 「この間の試合のあとに一人で黙り込んでブートキャンプ始めたら
     気合入れ直すんだ、って思いますよ」
田村 「だって。なにも声かけてくれないんだもん」
浅川 「みんななりに気を遣ったの。みんなゆかりが好きだから、
    ゆかりがベストな状態になれるためなら、ってね。
    でもそんなにゆかりが寂しんぼうだとは思わなかったわ(ニヤニヤ)」
田村 「そ、そんなんじゃないもん・・・/(´・x・`)\」
浅川 「ま、良かったわ。私たちもゆかりのことまだまだ知らなかったって事ね」

《谷山 「GHVヘビー・シングル王座戦、田村ゆかりvsゆかな、まもなく開始だぜ!」》

田村 「よし。元気でた。」
生天目 「頑張ってきてね。」
伊藤 「このベルト、またジムにもって帰りましょ!」
広橋 「ゆかりさんに黒星なんて似合いませんよ!」
浅川 「みんなついてるからね。寂しんぼうの王者さん。」
田村 「てひひ。うん!頑張ってくるよ!・・・・・プロシードa、田村ゆかり」
全員 「テイク、オフ!!」

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谷山 「それじゃあまずは挑戦者、ゆかなから入場だ!」

会場内に「星が奏でるものがたり」が流れる。
ゆかなが入場口に姿を現し、淡いピンクのライトが照らされる。

谷山 「今回はその名の通り男固め組の代表として、王者田村ゆかりに立ち向かう。」
矢野 「前回の挑戦者植田同様、王者と興行も共にする事も多い。
    前哨戦も経て、再度シングル王座に手が届くとこまでやってきた」
谷山 「タッグではすでに実績十分、その豊かな経験も胸も申し分無し!
    俺の織姫になって欲しいもんだ。
    この大舞台、シングルのお手前が楽しみだ。」
矢野 「そうですね・・・ん?」

ゆかながリングイン。
両手を開いて閉じてしながらコーナーに寄りかかってチャンピオンを待つ。
最も近いコーナー側リングサイドには男固め組のメンバー達。


入場の歓声の余韻を残し会場内の照明が消え『ゴーン・・・』と鐘の音。
続けて入場ゲートが青く照らされ、流れるは『きらら時間旅行』
王座戦仕様の入場曲、青い光の中に般若面、
漆黒のドレスを纏った田村が現れ、会場は再び大歓声。

谷山 「相変わらずすごい歓声だな。現GHVヘビー級選手権者、田村ゆかりの入場だ
    この曲の入場での勝率は実に8割超。負けたのは折笠愛のたった一回のみ。」
矢野 「ゆっかっりっ!ゆっかっりっ!ゆっかっりっ!ゆっかっりっ!」
谷山 「時間旅行の始まりはいつもと違う香り。
    今日の王者はどんな違う香りを見せてくれるのか。」
矢野 「ゆっかっりっ!ゆっかっりっ!ゆっかっりっ!ゆっかっりっ!」
谷山 「ちょwwwうるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
矢野 「ゆかりーん! ユ、ユアー! ユアァァァァァ!」
谷山 「またこのパターンか!落ち着け!わかったから!落ち着け!」
矢野 「愛するあなたの瞳と月明かりと一緒にィィィィ
    東のずっと奥へと原色のメロディィィィ感じてェェェェェェ!!!!」
谷山 「・・・王者、リングインだ。」


お互い身に纏った入場衣装を脱ぎ、戦闘態勢。
ボディーチェックをする間も静かににらみ合い互いに目を逸らさない。


ゆかな 「今日は、獲りに来ましたから。」
田村 「パワーの制御なんてしないから。こないだの借り返すよ。」


谷山 「さぁ、勝つのはfromGPOの捜査官か!それとも時空管理局機動六課の隊長か!
    星空に響き渡れ。今、VOW、GHVヘビー級選手権のゴングだ!」

【GHVヘビー級選手権試合 60分一本勝負】
【王者】田村ゆかり vs ゆかな【挑戦者】



ゴングが鳴ってもすぐには動かない両者。
徐々にゆかなが王者田村のまわりを廻り間合いを計り始め・・・

谷山 「さぁ、組み合った!!」

互いの調子を計るように組み合ったまま押し合い、譲らない二人は同時に手を離す。
離れ際にゆかながチョップを田村の胸に一発入れて行く。
離れた田村がニヤリと笑い、汚れを落とすようにチョップの当たった胸を手で払う。

矢野 「オープニングヒットはゆかな。しかしゆかりんはしれっとした顔だ。」

再び組みあい今度は田村がゆかなを力任せにロープに振る。
戻ってきたゆかなにクローズライン、しかしゆかなもそれはかわして再度の戻り際にエルボー。
田村がその肘をつかんで無理矢理捻って一回転。
倒したところに肘を落とすが、ゆかなもコレを転がって回避。
今度は立ち上がるゆかながヒザを払って田村に挑発の笑顔。
コレに田村はムッとした表情を浮かべゆかなを睨みつける。

谷山 「静かだがゆかながすこし主導権を握っているか?」
矢野 「いや、それでも王者の周りをまわるのはゆかなだ。
    王者はむやみに動かないものです。自分こそが王者だと誇示するために!!」
谷山 「・・・なんかどうも贔屓目の解説が見えるな。」

ゆかなが田村にエルボーで向かうが、打撃の応酬で負けるまいと田村も返す。
田村がバレルショットで徐々に自分の間合いに持ち込み、
スッと首相撲の構えからニーリフトの『Little Wish』。

転がるゆかなを立たせてコーナーに振る。そこに向かって走りこむが、
ゆかなもその場でのドロップキックで迎撃。さらにそこから『ナパームシュート(ソバット)』
腹を押さえて屈む田村。ゆかなはキックを田村の側頭部に当てて倒すと、
すかさずコーナーに登り『メタモルフォース・モルダイバー(ムササビプレス)』

うつぶせの田村に容赦無く落下したゆかな。
田村を仰向けにしてカバーするがコレはカウント2。
ここで10分経過のアナウンス。
それを受けて立ち上がったゆかなが汗を拭う。しかしそこへ倒れていた田村が
ハンドスプリングの反動で起き上がり両足キックをゆかなにぶつける。
そのまま起き上がった田村、今度はゆかなを投げずにコーナーに押し込んで
『バタフライキック(小橋の高速マシンガンチョップのキック版)』連射。
コーナーでゆかながうずくまるが追い討ちをかけるように
『アクセルシューター(高速フットワークからの高速フリッカージャブ)』
倒れたゆかなへカバーするが、ゆかなもここはカウント2でリターン。

ゆかな 「春菜としっっっかり特訓してきたの。貴方の打撃の流れ、威力。
     でも、練習以上ね。やっぱ二人の時だと分散されてるからかしら」
田村 「当たり前じゃない。あの時終盤は悠の事で私も訳わかんなくなっちゃってたからね」
ゆかな 「あら、そうなんだ。でも、一人に集中できる今がこの程度ならば
     十分耐えられるわ。」
田村 「・・・効いてないのかぁ。おかしいなぁ、どうしちゃったのかな。」
ゆかな 「さぁ、今度は私の番」
田村 「うん。大丈夫・・・私の訓練は間違ってない。ちゃんと、練習の通りやろう。」
ゆかな 「行くわよッ!!」
田村 「さぁ。ゆかなさん、、、、」

ゆかなが田村に向かうが、一瞬体中に寒気が走り足を止める。


田村 「少し、頭冷やそうか」


この言葉と同時にすさまじい風圧の『Lovely Magic(ぶん回しラリアット)』。
ゆかな、辛うじてバックステップで交わす。

矢野 「これはビビった!どうやら17歳モードに入った田村、即座のラリアット」
谷山 「しかしコレはゆかなが回避!向かおうとしていたようだが回避した。」
矢野 「何か感づいたんでしょう。知らずに飛び込んでいたら完全に刈り取られてましたよ」
谷山 「自身の経験から来るベテランの勘か。これだけは興行数こなさないと育たないからな」

ゆかな 「ふ〜。あっぶなかった。」
田村 (今の気付くとは思わなかった。ふぅ。)
ゆかな 「まだまだ!」

20分経過、ゆかなが今度は冷静に雪城流に打撃をいなしながら田村の懐へ。
蹴りで迎撃する田村の足を取り、さらに抱え込んで『ゼロキャノン(フィッシャーマンDDT)』
田村を立ち上がらせて、、、、『サンダー(雷)』

谷山 「これは!?サンダーはサンダーだが、ゆかなのホワイトサンダーでは無いっ!」
矢野 「男固め組さくらの、サンダーですね」

頭に蹴りが入り田村ふらつく。ゆかなは後ろを取り

ゆかな 「ホワイトサンダー!!」

『ホワイトサンダー(ブルーサンダー)』で投げ、さらにコーナーへ登る。
『セントクリスタル・ラブ・フォー・ユー(ムーンサルトエルボー)』を1つ、
当てた後カバーに行かずもう一度コーナーへ。
『聖シュトラール・スターダスト(スターダストプレス)』で落下。
カバーに入るがカウントは2.5


矢野 「危ないっ!ゆかりん返した〜ッ!!!」
谷山 「今、氷上の動きが入ったムーンサルトエルボーだったな」
矢野 「同じFURILとして、技の模倣も出来るんでしょう」
谷山 「・・・なんか冷たいな。さっきのさくらの技といいゆかなも精一杯の力をぶつけているな」
矢野 「トーナメントで負けた男固め組の選手の想いごとぶつけている感じですね」

田村 「ゲホッ!ゴホッ!ゆかなさんは元々飛び技が豊富なのは知ってたけど
    これだけの種類喰らうと気持ち悪いわ」
ゆかな 「まだ!こんなものじゃ!!」
田村 「いい加減に!」

田村は走ってくるゆかなにキチンシンクで応対。
倒したゆかなを掴んでコーナーに据えると延髄エルボー、顔面キック、
喉元への掌底をぶちかます。
打撃の蓄積から顔に脂汗の浮かぶゆかな。それを見て
『いたずら心うきうきしてますか?(スイングフルネルソン)』
ゆかなをカバーするがコレをゆかなも返す。しかしすぐに立ち上がれないゆかな。

田村 「もぅ、、、しつこいなぁ。」
ゆかな 「まだ、、まだ!!」
田村 「それじゃ、コレならどう?レイジングハート・・・セットアップ!!」

田村が力任せにゆかなを放り投げる。
『レイジングハート・シューティングモード(相手を頭上に放り投げ、
落下中にスピニングヒールキック)』の最後キック部分を『R-17(R-15)』へ発展させる。
鈍い音が会場に響き、ゆかながうつ伏せで倒れる。
カバーに入ろうとする田村。しかしうつぶせのゆかなが必死に仰向けにされまいと堪える。


田村 「なんなのもぅ!!!しっつこいなぁ!!」

浅川 「ゆかり!冷静に!!」

田村の絶叫にかぶせるように浅川の声が響き渡る。

田村 (そうだ。焦っちゃダメ。時間はあるんだ。ありがとう、悠)

逆サイド男固め組からもゆかな頑張ってとの声。
観客席からも大ゆかなコール、そして大ゆかりんコールも起こる。

田村 「やると決めたら本気でやる!ベルトを守る合言葉、それは、正義と愛と友情なの!!」

田村うつぶせのゆかなに組み付き、中年'sリフトの構え。必死に耐えるゆかなだが
堪えきれず、田村に投げられる。さらにそれを2度、3度と繰り返される。
1つ息を入れて言葉を紡ぐ。

田村 「車輪の響きに地が叫ぶ!愕天王!」

4度目の中年'sリフトで豪快に上に放り投げ

田村 「スパイラルゥゥゥゥゥ、、、ダッシャアァァァァァ!!!!」

落下してくる所にスピアータックル。

矢野 「熱き闘魂を胸に秘め、毅然と立ち向かう一人の少女が現れたのだ!!
    彼女の名は!!プロシードa、田村ゆかり!
    ゆかりーん! ユ、ユアー! ユアァァァァァ!」
谷山 「ちょっとは自重しろw  いやはや凄まじい力任せな技だ。」
矢野 「技としては『レイジングハート・シューティングモード』に似てますけれど」
谷山 「これは力配分を考えないパワーファイターの王者にしかできねぇぞ・・・。」
矢野 「配分なんかいいんです!!それが長所なんですから」
谷山 「時にはウィークポイントにもなるけどな・・・。しかしまぁ、中年'sリフトの連続、
    ありゃかなり目も回ってるんじゃないか?」

背中から落ちたゆかなをカバーする田村。
しかしゆかなこれでも絶叫しながらカウント2.9で返す。

田村 「返すんだ!すっご〜い。これ私も疲れるんだよね〜。でも」

もう一度側面からゆかなを持ち上げ、

田村 「正義は、、、勝ぁぁぁぁぁつ!!」

オリンピック予選スラムでゆかなを投げ捨てる。
肩で息をする田村、カバーせずに観客に吼える。
それでも立ち上がるゆかな。足元はふらつき頭を抑えている。
そんなゆかなを抱え、リアル・ブレーンバスターの構え。

田村 「この一撃で・・・決めるよ。
    ディバイーーーーーン、、、!?」

その瞬間ゆかなが首を振り回し抵抗。
まさか抵抗すると思わなかった田村が手を離したところでゆかなが毒霧を発射!
目を押さえる田村に、

ゆかな 「文学少女奥義、リリカル・ハートアタック!」

心臓部へめがけた両手での掌底で田村を突き飛ばす。

谷山 「ゆかなが?リリカル・・・?何だって?」
矢野 「よくここで毒霧も仕込んでたもんだ。決定戦での池澤戦でも放った
    なりふり構わぬゆかなの毒霧から、心臓のあたりに両手の掌底のコンビネーション。」

ゆかな 「私は負けるわけにはいかない。みんなの、代表として、倒れない!」
田村 「どこにそれだけの底力が・・・」
ゆかな 「私は、、、C.Cだからな!!」

決め台詞と共にゆかなから田村へのCCDが炸裂。
これがクリーンヒット!
1、
2、、


田村 「私がッ、プロシードを幸せにするんだからッ!」

カウント2.9で田村返す。
それでもゆかな、力を振り絞りその田村を連れてコーナーに登る。
そして『シークレットキャンディbyカナ(雪崩式ノーザンライトスープレックス)』の構え。

矢野 「ゆかりんはゆかなのCCDを返した!」
谷山 「しかし、ゆかな畳み掛ける!王者にシークレットキャンディを見舞うぞ!」

が、ここでゆかなの体がガクリとなる。

ゆかな 「・・・・・・・・」
田村 「当たり前よ。・・・何十分っていう間、誰の攻撃を一人で受けたと思ってるの?」

顔中を毒霧で染めた田村が勝ち誇ったように言い放つ。

田村 「ス、スターライト、、、、ブレイカーーーーーーーーーッ!!!!!」

ゆかなに抱えられコーナーに登っていた田村、
逆に渾身の『スターライトブレイカー(雪崩式長滞空ブレインバスター)』
田村とゆかなの体が光の帯のようにまっすぐ伸びて、マットへ落下。

田村がカバーに入る。
1、
2、、









・・・3!

【王者】○田村ゆかり (32分55秒 スターライトブレイカー→体固め) ●ゆかな【挑戦者】
※王者が3度目の防衛に成功




ゴングが鳴り響き、リング内に大の字で倒れこむ二人。
その二人のまわりに駆け寄ってくるプロシードa、男固め組のメンバー達。

谷山 「決まったぁぁ!見習い悪魔は、真白は、、プリキュアのホワイトは、、、
    管理局の白い悪魔の前に散った!!!!!」
矢野 「CCDを出したのがゆかなの最後の気力だったんでしょう。
    その後、コーナーに登る時にはきっともう意識は無かったんでしょうね。」

谷山 「あぁ、でもゆかなが今意識を取り戻したようだな。」
矢野 「男固め組の緒方司令がゆかなの手をぎゅっと握ってますね。」
谷山 「プロシードaのメンバーの喜びっぷりもすごいな」
矢野 「この絆の強さが、ゆかりんの元にベルトを戻させたんです」
谷山 「いや、男固め組だってそうなんだがな・・・。お、ゆかなが立ち上がってマイクを持ったぞ。」
矢野 「それじゃ、選手達のマイクを聞いてお別れしましょ。
    今日のGHVヘビー級選手権は、王者田村ゆかり3度目の防衛でした。」

会場が静かになる

ゆかな 「・・・・負けちゃいました。」

田村が起き上がりゆかなの方を見る。

ゆかな 「今日は絶対勝って、会場に大音量の 『Drive on the Milkyway』 を響かせたかったです。
     でも今日は、ベガもアルタイルも、スピカの前には敵わなかった。
     ・・・・悔しいけど。今回は・・・今回は負けました。」

会場から拍手が起こる。

ゆかな 「また、戻ってきます。ね、みんな。」

男固め組のメンバー達が大きく頷く。
それを見てマイクを置いたゆかな。またヒザから崩れ落ちるが池澤が支える。
そして拍手が起きる中、ゆかなは池澤に抱えられて男固め組のメンバーと退場する。

広橋 「池澤さん、俯いて声出してなかったけど大泣きしてた。」
伊東 「私も見えた。やっぱ見間違いじゃなかったよね。」
生天目 「自分が試合をした訳ではないのにね。」
浅川 「何言ってるの。チームメイトが戦ってる。私達はリングにいなくても一緒に戦ってるのよ。
生天目 「でしたね。」
浅川 「それにね。適当な練習しかしてない奴には、あーいう思いは出来ないわよ。
    私達も、頑張ろうね。いつまでもゆかりん一人のチームとは言わせないわよ。」

他のメンバーがそんな話をする中、
ゆかなのうしろ姿を見送る田村、おもむろにマイクを持つ。

田村 「ゆかなちゃん、ありがとう。」

一息入れて絶叫する。



田村 「勝ちました〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」


会場大ゆかりんコール。慌ててそれを静止しながら


田村 「え、えっと。もういいですか?・・・・無事防衛しました。
    正直な所、あんなに倒しても倒しても起き上がってくるとは思いませんでした。
    特に、練習してた新技。ゆかりにあれだけくるくる回されて、目が回らない人はいないんだよッ。
    
    まぁ、きっとどこかでこの試合も見ているハズの、、、
    私の、、、永遠の、、、以外はね。(語尾を濁す)
    
    なのに、目は回していたけど、起き上がってきたもんね。
    私の方が参っちゃいそうだった。でも」

メンバーの方を見やる

田村 「さっきも言ったけど、ベルトを守る合言葉、それは、正義と愛と友情なの!!
    このみんながいるから、私は頑張る。ね。」

メンバーが寄ってきて田村を肩車しようとする。

田村 「あ、あ、ちょ、ちょっと待って!今日勝ったらね、やりたかった事があるんだ。
    みんな耳貸して。」

プロシードの4人が田村に何か言われて笑い出す。

田村 「笑わないでよ〜。みんなちゃんとやってね/(´・x・`)\」
浅川 「はいはい。」
田村 「はい、お待たせしました。今日はみんな応援どうもありがとう!
    この先も頑張るから、また観に来てね。それじゃ・・・・・」

プロシードメンバーが横一列に並ぶ。

田村 「せーの。」
全員 「ビクトリー!!!!!」

5人が手を繋ぎ上に挙げてジャンプをする。
その瞬間会場に銀色の紙吹雪が舞い、上空が星空のようになった映像でフェードアウト。




星空のSpicaがバックに流れ番組終了。



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